大規模修繕工事
マンションなどの集合住宅は、ひとつの建物を住戸ごとに区分しているため、所有者（居住者）が複数存在します。こうした区分所有建物の管理については、「建物の区分所有等に関する法律（区分所有法）」に定められており、区分された住居は「専有部分」といい、各所有者が責任をもって管理します。一方、専有部分以外は「共用部分」と呼ばれ、居住者全員で共有します。具体的には、エントランスや共用廊下、集会室などのほか、管理規約で共用部分と定められた部分が挙げられます。このような共用部の修繕・改修を行うのが共用部工事です。
建物の顔と表現されるように、エントランスは建物のイメージやグレード感を左右する重要な部分です。たとえスペースが限られていても、照明を見直したりすることでイメージアップが図れます。また、監視カメラの設置やオートロックシステムの導入によって防犯性を高めたり、集合郵便受けや掲示板などをデザイン性や機能性の高いものに変更したりすることで、より安全で快適な暮らしを実現できます。
共用廊下や共用階段、エレベーターホールなどは、居住者だけでなく、来訪者も利用するため、経年劣化が進むものです。単に機能性の維持を図るためのものから、美装性やデザイン性を追求したものまで、改修方法はいろいろあるので、目的や費用バランスを考慮して選択することが望まれます。
豪華なロビーや子ども用のプレイルーム、宿泊のできるゲストルームなど魅力的な共用施設は資産価値として注目されるものの、居住者の年齢構成が変わったり、時代状況が変化したりすると、利用率が低下することがあります。そうした場合には、共用施設のニーズを見極め、シンプルなものにしたり、用途を変更したりすることも考えられます。
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